essay >>ひな祭「流し雛」
令和3年3月3日、ひな祭りの日となりました。
桃の節句ともいわれる、「今日は楽しいひな祭り~♪」という歌があちこちで聞かれる日です。
皆さま、雛あられ等を召し上がりましたでしょうか?
「流し雛(ながしびな)」
「雛流し」
と言われる、おひな様を川や海に流すのは、雛まつりの原点とされる行事です。
罪・穢れ・病や禍を、人形が身代わりになって背負ってくださる、身代わりによって清められるという意味があります。
かの「源氏物語」にもお払いをした人の形(かたしろ)を舟に乗せて、海に流したとの記述があります。
~須磨の巻より~
三月(やよい)の朔日(ついたち)に出で来たる巳の日、
今日なむ、かく思す事ある人は、
御禊(みそぎ)し給ふ(たもう)べきと、
なまさかしき人の聞ゆれば、
海面(うみつら)もゆかしうていで給ふ。
いとおろそかに、ぜむじょうばかりを引きめぐらして。
この国に通ひける陰陽師(おんみょうじ)召して、
祓へ(はらえ)せさせ給う。
舟に、ことごとしき人形ひとがたのせて流すを
須磨については
かつて、病は「災い」「祟り」と怖れられ、治すためには神官や僧侶がお払いの御祈祷をしていました。
八百万の神々を祀る日本では、自然界の植物には神の力が宿ると信じられており、
その葉などを人の形「形代(かたしろ)」にして、
悪い箇所(痛みや傷のある箇所)にその形代を撫で付けて、
痛みや穢れを移してから川に流してしまうことで平癒を祈りました。
これが流し雛のもととなったと言われております。
それが年月を経て、人々の暮らしが少しずつ豊かになるに従い、
木の葉を用いた「形代」ではなく、
「桟俵(さんだわら)」という藁(わら)で舟をつくり、
その中に紙塑(しそ)=(紙粘土)で作ったお人形や、
更に願い事を書き入れた紙をも供に入れて川に流すように変わってゆきました。
似た行事として、現在では、神社にて「夏越大祓」「師走大祓」がありますが、
これは、人形(かたしろ)に氏名を記述し、
疾病やケガ等で痛む箇所や自分で悪いと思う箇所を撫でて病や禍を移してから祈祷していただき、
後に神官が水に流すというものです。
https://www.kandamyoujin.or.jp/event/detail/?id=12
2021年3月現在続く「COVID-19」※ が一日でも早く終息することを願いまして、
本年は流し雛を掲載させていただくこととしました。
これからの日々が、皆さまにとりまして、
どうぞ、より良き日々となりますよう、
心よりお祈り申し上げます。
※一般的には「新型コロナウイルス感染症」と言われていますが、コロナという名称の団体等がありますことから、弊社では正式名称で記載しております。
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